| ◎応用例:
冷蔵室でピチットを使えば、「過酸化脂質」の少ない干物がつくれます
低温浸透圧脱水シート『ピチット』が、日本の伝統食「干物」のイメージを変えつつあります。そもそも、この『ピチット』の原理(浸透圧を利用し、魚の水分を取る)は、元愛知県水産試験場の場長であられた倉掛武雄先生が、自然の寒風(0〜10℃)にさらして作った干物(例えぱ北海道のホッケ、若狭のカレイ)はうまいという点に着目した事から生れたものです。
干物には、保存食としての干物(乾物)と、嗜好食としての干物(生干し)がありますが、消費者の鮮度志向と、コールドチェーンが発達したことから、今日では干物は生干しが主流となっています。
生干しは、従来、天日干し、機械干し(20〜40℃の室で約1時間干す)、灰干し等が代表的な作り方でした。しかし、それぞれ、i)
熱による脂質酸化、ii) 芯から水を取るための余分な塩分の使用、iii) うまみ成分の流失等の欠点がありました。
ピチットは、低温下で塩を使わずに、魚の水っぽさと生臭みをとり、うまみを濃縮します。ですから、有害成分である過酸化脂質の少ない、魚本来の風味とほどよい塩加減、歯応えの生干し干物が、ご家庭の冷蔵庫で簡単に作れます。
魚などに含まれるアンモニアやトリメチルアミンなどの生臭み成分は、死後、酵素作用により急速に増加します。また、魚や肉に含まれる脂肪酸や蛋白質なども、酵素作用や酸化により異臭を発します。
一般に魚や肉の水分は全体量の約70%を占めていますが、通常冷凍(−20℃)では水分全体の約80%の水分(遊離水とセミ結合水)が凍るだけで、残り約20%の水は酵素蛋白や糖に結合した水(結合水)で-80℃以下でないと凍りません。したがって通常の冷凍、保存中でも酵素はわずかながら働いており、解凍時の臭み(冷凍臭)の原因となります。
また、西洋の伝統食である「くんせい」も、日本のように湿気の多いところでは作りにくいとされていましたが、これもピチットを使えば手軽に出来ます。
ぜひお試し下さい。
なお、一部の生協、スーパーでは、すでにピチット法の干物が販売されております。
おなじみのアジ、サンマはもとより、今まで脂が強くて干物にならなかったイワシやノルウェー産のサバの干物など、ピチットならではの干物が人気を呼んでいます。
|