昭和電工プラスチックプロダクツ株式会社
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私がピチット博士です!

ピチット博士のコーナー

ピチットはいったいどのような構造になっているのでしょうか?
ピチット博士が詳しく解説します。

ピチットのしくみ

1.ピチットの原理
ピチットは、2枚の水を通すフィルム(半透膜=ポリビニルアルコールフィルム)の間に、高浸透圧食品である水あめ成分と、吸い取った水を保持する海草成分(糊料)とをはさんだシートです。
ピチットで食品を包んでおくと、食品に含まれている余分な水分と生臭みとがピチットに吸収されますが、うま味成分は吸収されずに残るので、うま味が濃縮されるのです。
ピチットとは (7180 バイト)


2.水分、臭みを取り除いてうまみだけを残す原理


水分と生臭みだけが取り除かれるのはなぜでしょう。

 その秘密はフィルムに開いた目に見えないくらい小さな”穴”にあります。
この穴は、水分と生臭みの成分(アンモニア、トリメチルアミンなど)の分子の大きさに比べれば十分大きいのですが、うま味成分の分子の大きさに比べればずっと小さいので、水分と生臭みだけがフィルムを通ってピチットに取込まれて取り除かれるのです。
このように、選択的に物質を通す膜を「半透膜」といいます。

ピチットの原理(17489 バイト)

浸透圧とは?

浸透圧 (1830 バイト)


濃度の違う水溶液AとBとを半透膜を境にして接触させると、濃度の高い方へ水が移動するという性質があります。
この「水を移動させる圧力」「浸透圧」といいます。
 自然界では良くみられる現象で、樹木が土の中の水分を吸い上げるのも、きゅうりに塩をふって水分を抜くという方法もこの原理が働いているのです。


3.ピチットした素材がおいしくなる理由

3-1 水っぽくならない

 魚や肉を冷凍する前に、ピチットで適度(通常、全重量の約3%)に脱水すると、脱水しないものに比べて凍結時による体積膨張が減少します。また、保管・解凍時での氷結晶の成長も少なく細胞組織を傷めません。そのため解凍時のドリツプが出ず、冷凍前の歯ごたえ、うまみ、色目を保ちます。(写真‐1)

写真-1
ピチット処理のマグロとそうでないマグロの写真

上側:冷凍マグロを通常解凍したもの。 下側:冷凍マグロを半解凍後ピチット処理したもの

3-2 生臭くならない

 凍結する前にピチットで脱水すると、すでに発生していた生臭み成分を水といっしよにとり除きます。また、冷凍保存中(約−20℃)に発生する異臭(冷凍臭)も、脱水による酵素作用等の抑制効果により、発生が少なくなります。

ピチットで保護された細胞組織(左)と氷の結晶で破壊された細胞膜(右)
保護された細胞組織と破壊された細胞組織



4.ピチットが健康によい理由


4-1 塩分控えめの食事が可能に

 ピチットした素材は冷凍・解凍中に水っぽさと生臭みをとっているので、下ごしらえや下あじとしての塩・油・調味料を控えても、充分おいしい。だから、塩や油を控えたヘルシーなお料理づくりに大活躍します。

 また、これまで高濃度の塩分を使用しないと保存できなかった「たらこ」などもピチットシートを使えば低塩で保存できるようになりました。

 その上、ピチットの保存は塩を使っての保存よりも優れています(下表)。

  ピチット  塩 
うまみが流出しない X
余分な塩分が浸透しない X
生臭み、水っぽさが芯からとれる
蛋白質の変性による素材の変質がない X
調味液の漬み込みが良くなる

4-2 「過酸化脂質」の発生を抑えます 

過酸化脂質(脂肪の変質成分)は脂質の酸化によって生じ、人体の生体膜の機能を低下させる成分であると疑われています。

 ピチットは食品にピチッと密着して余分な水分を脱水することにより酸化を抑制しますので、これまでの(1)低温下に置く、(2)空気に触れさせない、(3)光にあてない、といった抑制方法に比べても優れた酸化抑制効果を発揮します(下図)。

冷凍保存中のイワシの皮の脂質酸化グラフ (2797 バイト)
「弊社実験値で、保証値ではありません」


 

応用例冷蔵室でピチットを使えば、「過酸化脂質」の少ない干物がつくれます

 低温浸透圧脱水シート『ピチット』が、日本の伝統食「干物」のイメージを変えつつあります。そもそも、この『ピチット』の原理(浸透圧を利用し、魚の水分を取る)は、元愛知県水産試験場の場長であられた倉掛武雄先生が、自然の寒風(0〜10℃)にさらして作った干物(例えぱ北海道のホッケ、若狭のカレイ)はうまいという点に着目した事から生れたものです。

 干物には、保存食としての干物(乾物)と、嗜好食としての干物(生干し)がありますが、消費者の鮮度志向と、コールドチェーンが発達したことから、今日では干物は生干しが主流となっています。
 生干しは、従来、天日干し、機械干し(20〜40℃の室で約1時間干す)、灰干し等が代表的な作り方でした。しかし、それぞれ、i) 熱による脂質酸化、ii) 芯から水を取るための余分な塩分の使用、iii) うまみ成分の流失等の欠点がありました。

 ピチットは、低温下で塩を使わずに、魚の水っぽさと生臭みをとり、うまみを濃縮します。ですから、有害成分である過酸化脂質の少ない、魚本来の風味とほどよい塩加減、歯応えの生干し干物が、ご家庭の冷蔵庫で簡単に作れます。

 魚などに含まれるアンモニアやトリメチルアミンなどの生臭み成分は、死後、酵素作用により急速に増加します。また、魚や肉に含まれる脂肪酸や蛋白質なども、酵素作用や酸化により異臭を発します。
 一般に魚や肉の水分は全体量の約70%を占めていますが、通常冷凍(−20℃)では水分全体の約80%の水分(遊離水とセミ結合水)が凍るだけで、残り約20%の水は酵素蛋白や糖に結合した水(結合水)で-80℃以下でないと凍りません。したがって通常の冷凍、保存中でも酵素はわずかながら働いており、解凍時の臭み(冷凍臭)の原因となります。

 また、西洋の伝統食である「くんせい」も、日本のように湿気の多いところでは作りにくいとされていましたが、これもピチットを使えば手軽に出来ます。 ぜひお試し下さい。

なお、一部の生協、スーパーでは、すでにピチット法の干物が販売されております。
おなじみのアジ、サンマはもとより、今まで脂が強くて干物にならなかったイワシやノルウェー産のサバの干物など、ピチットならではの干物が人気を呼んでいます。

興味のある方はこちらの論文もご覧ください。


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